こんにちは。
フィリピン セブ島へ3年間、教育移住していたAyaです。
子供が小学校1年・4年の時に本帰国しました。
海外移住したことで、子供たちはバイリンガルになりました。
その反面、日本語力の衰えは月日が経つにつれて顕著でした。
海外移住は日本語力がまだ十分に育っていない幼児期・小学校の子供は日本語の学習に失敗しやすい、と言われています。
私たちを含め、海外移住をされている方のお子さんを見て、本当にこれでバイリンガルと言えるのかな?という状況も目の当たりにしてきました。
2つの言語を使うことができること、使える人。
でも、子供の得意な言語は、どちらかに偏ってしまいがちなのが海外移住の現実です。
漢字を覚えられない娘をみて、日本人だからと言って英語環境にいても日本語力は衰えないと言うのは幻想だったことに気付かされました。
そこで今回は、私が目の当たりにした3つの失敗と、日本語対策についてまとめていきます。
日本語ができない帰国子女のパターン

学校では英語で学ぶ
↓
日本語の読み書きの時間が極端に減る
↓
日本語は話せるけど、読み書きが苦手
日本語には、漢字、音読み&訓読み、送り仮名、ひらがな、カタカナと複雑な仕組みでできており、難しい言語の1つと言われています。
海外在住をしている家庭では日本語を話す約束をしていることも多いと思いますが、次第に家族にまで英語で話しかける状態になることも珍しくありません。
うちの幼稚園の時に海外にいた息子は、3年目で英語の方が話しやすい言語になったため、日本語での会話は面倒に感じていました。
本帰国して感じますが、日本の小学校では国語と算数の時間が必ず毎日あります。
そして、漢字の書き取りと、教科書の音読の宿題は毎日、宿題に出ます。
日本の小学校にいる生徒でさえ、日本語の読み書きにはかなりの時間を割いています。
国内のインターナショナル幼稚園を卒業した子供でさえ、一般的な幼稚園を卒園した子供よりも日本語が1学年ほど幼いと言われています。
海外移住中の場合はさらに日本語との接点が減った状態ですから、小学生になると読み書きでつまづき始める子供が増えていきます。
私が見聞きした話では、低学年の日本語学習でつまづいてしまったら、年々、学年に応じた学習が難しくなっていく状態に陥るそうです。
失敗例をみながら、どのように日本語教育に取り組めば、日本語のできない帰国子女にならないのか見ていきます。
海外移住4年の帰国子女
日本語がおかしくなる状態
年中さんの学年からお父さんの海外転勤が始まり、4年目の小学校2年生の子供の実例です。
英語がかなり強くなり日本語の語順が英語に引っ張られて、まるで英語を直訳したような日本語を話すようになったそうです。
I've been playing tennis since I was six years old.
ぼく習ってるよ、テニス、6歳の時からね。
例えば↑の文のように、主語 動詞 の順番で始まる日本語を話します。
私もこれには同感で、年少で教育移住した息子も3年目で、まるで英語を直訳したような、おかしい日本語を話すようになりました。
ポイントは海外移住する際の年齢が、年少・年中だったこと
小学校1年生で海外移住した娘は、海外移住3年目でも日本語がおかしくなることはありませんでした。
幼児期の場合は言語の吸収が柔らかい反面、使っている言語に大きく左右されます。
まだ日本語を話す能力が発達途中である点も忘れてはいけません。
・家の中では日本語を話すルールを貫く
・英語的な感覚には無い、数の数え方については日常会話の中で意識的に教え続ける
例: 車は1台 紙は1枚 人参は1本...etc
・就学準備としてひらがなを書く練習をする
息子は小学校1年生の時に本帰国し日本語環境になりました。
と声をかけましたが、日本語環境の中で英語を使うことに違和感を感じていたようでがんばって日本語で話していました。
小学校1年生で本帰国すれば、3ヶ月程度で日本語力は戻る
本帰国した頃は、連絡帳を書くのが遅いなどの問題もありました。
でも、先生がフォローしてくれていたので、息子もあまり不安は感じていなかった様子でした。
先生にも相談していましたが、小学校1年生はまだまだ子供によっては幼い言葉を話すこともあり、クラス内で日本語ができない雰囲気はなかったようです。
次第に学校生活を通じて語彙もどんどん増えていき、テストで100点を取れるようになりました。
帰国半年の現在、日本の小学生と変わらない日本語力を持っています。
幼い子どもの場合は、英語が強くなってしまっても言語の習得に柔軟な小学校低学年で帰国すれば、容易に日本語力を取り戻すことが可能。
幼児期の場合は言語の吸収が早いので、英語環境の幼稚園に入れば英語を1年で話すことができるようになりますし、低学年であれば日本語に追いつくことも容易です。
このことからも、私うは幼稚園での海外移住はやりやすいと感じています。
-
-
何歳から何年間、海外赴任・教育移住が理想的?帰国子女の英語&日本語力から思ったこと
続きを見る
海外移住2年目の失敗
帰国子女の日本語のできないポイント
これは小学校1年生で移住した娘の事例です。
セブ島の学校の夏休みを利用して、日本の小学校に毎年1ヵ月ほど通っていました。
セブ島では日本の教科書の内容に沿った国語と算数の日本語学習を週末に取り組んでいました。
また、学習内容もそこまで難しくないので大丈夫だろう、私はそう予想していました。
が、これが甘かった...。
小学校3年生の時に、オープンスクール(授業参観)で発覚した娘の日本語読解力、それは算数の文章題の意味をつかみかねるレベルでした。
似たような内容の文章題は、英語でなら解けていたのに…。
他のクラスメイトは問題が解き終わってノートから顔をあげているのに、娘だけはずっとうつむいたまま。
出題されている問題の内容が分からず、式さえかけていないのは明らかでした。
まだ教育移住して2年しかたっていないのに、周囲の子どもたちと比較すると、日本語力に雲泥の差が出てしまったことに、私は焦りを感じずにはいられませんでした。
そこで、私が海外移住2年目に取り入れた日本語学習をご紹介します。
日本語のできる帰国子女を目指す
海外移住2年で娘の日本語の読解力が低迷していることに気づいた私は、日本語学習にあてることの出来る限られた時間を、読解力と漢字に集中することに決めました。
まず、読解力を高めるために娘が取り組みやすいレベルの文章題のドリルを購入しました。
実際に取り組んでいたドリルはこちらです。

参考:小学校2年生 文章題 学研より
難しい問題は本人に負担がかかるので、短時間で文章を読める簡単なレベルのものを、出来る限り毎日取り組みました。
文章読解問題は、量重視で慣れることを念頭に置いて取り組ませました。
なぜなら、日本の学校では漢字やひらがなの書き順や止め、はねを徹底的に教えているからです。
タブレット学習の解説を聞きながら学べば、小学校と同じ内容を親が教えることなく学習することが可能です。

参考:チャレンジタッチ 小学5年生より
違いは、目の前に先生がいるのか、タブレットの解説を聞きながらするのか、という点です。
ちなみに、ドリル学習よりも、タブレット学習の日本語の書き取りの方が、断然おすすめです。
なぜなら、書き順が間違っていることを自動的に判定して、やり直させてくれるから。
止め、ハネの指導までしてくれるので、バランスよく書くことができるようになるんです。
海外移住中の小学生は、漢字でつまずいている子供が多い
子供が実際に書いた順番はタブレットに記憶されます。
間違った書き方をすると、正しい書き方だけでなく、自分がどう書いていたかも比較の上、訂正されます。
また、文字も書く欄から飛び出すと、枠内に書くように指導されるので、丁寧に文字を書く習慣がつきます。
タブレット学習は5教科対応型しているので、漢字以外にも全教科学習することができるのも嬉しいですね。
・海外電源での充電に対応しているか
・紙教材や付録が無いか(または海外発送対応か)
・学年を先取り学習&振り返り学習ができるか
主要なタブレット学習会社3社を比較します。
【進研ゼミ小学講座】 ![]() |
スマイルゼミ ![]() |
すらら |
|
専用端末の 海外電源 |
× 変圧器が必要 |
○ | ○ ※1 |
紙教材の有無 | あり 受講費用に2000円以上の割増あり |
なし 国内と同じ料金で受講可能 |
なし 国内と同じ料金で受講可能 |
学習スタイル | 教科書に沿って学年に応じた学習 | 教科書に沿って学年に応じた学習 | 無学年式で振り返り学習も先取り学習も可能 |
先取り学習 | △ 国語・算数のみ 無学年式で先取り可能 |
△ 国語・算数のみ 無学年式で先取り可能 |
○ 全教科可能 |
振り返り学習 | ○ | ○ | ○ |
1つずつ、タブレット教材の特徴を見ていきます。
チャレンジタッチ
教科書の内容に沿って学習できるので、学年に合った学習することができます。
人気のアニメとコラボしたり、夏休み時期には自由研究に使えそうな顕微鏡など、学年に合わせて特別な教材を送付していくれたり、タブレット学習だけでないのが魅力です。
毎月、赤ペン先生に国語と算数の採点をしてもらうことができます。
学習の他にも、日本語の電子書籍を端末上で借りることができる点も、日本語の少ない海外在住時にはうれしいですね。
スマイルゼミ
書くことにこだわって作られたスマイルゼミは、漢字検定受験料も無料で受験できるくらいに漢字の学習に力を入れています。
タブレット内にも、漢字の練習・漢字コレクション・漢検ドリルの3つのコンテンツが用意されています。
漢字に力を入れた学習教材なので、海外移住組から選ばれているのも納得です。
また、スマイルゼミはタブレット学習だけで完結し、チャレンジタッチのように付属教材を送付してもらうコストを抑えることができる点も魅力です。
海外でも変圧器を使用せずに充電できるので、その点も海外移住に選ばれているのだと感じました。
私も、実際にセブ島在住時に取り組んでいる子供が多かったのはスマイルゼミでした。
無学年式方式 すらら
チャレンジタッチとスマイルゼミが専用の端末を使用するのに対して、無学年方式すららは自宅にあるパソコンやタブレットから学習することが可能です。
だから、すでに海外に住んでいてもすぐに始められるところが魅力です。
また、すでに日本語が苦手になってきている子供に使いやすい無学年式なのもありがたいポイントです。
チャレンジタッチやスマイルゼミは国語と算数が全学年の先取り&振り返り学習に対応する付属教材を2022年4月よりリリースしますが、基本の学習は学年に沿った教科書学習。
無学年方式のすららであれば、子供が自信を持って取り組めるところからステップアップすることができます。
▼ 日本語学習の学年によるポイントやおすすめのタブレット学習の詳しくは下記のブログ記事にて書いています。
-
-
海外駐在【子供の日本語教育】我が家の失敗談&年齢別のポイント
続きを見る
海外移住3年後
帰国子女として日本の公立小学校へ
教育移住2年で、算数の問題を解くことができないほどに日本語の読解力が落ちてしまった娘。
正直、海外移住1年目は英語に慣れることが精一杯で日本語に手は回ってしませんでした。
2年目も在籍しているインターでの成績がよかったので日本語学習はしていたものの、そこまで心配していませんでした。
その結果が、日本の授業についていけない結果を産んだのだと思います。
教育移住最後の年と決めていた、3年目は本帰国に向けて、日本語の学習方法を大きく変えました。
理科や社会は一旦お休みし、日本語の読解、漢字、算数の文章題の3つに焦点を当てて学習をしました。
結果的に、娘は小学校4年生の時に本帰国しましたが、授業に遅れることもなく、クラスメイトとの会話に不自由することもありませんでした。
学期途中での編入になったので、帰国後いきなり課された漢字テストは50点と惨敗でした。
でも、50点取れただけでも私は今までやってきたことが報われたと感じました。
また、日本語の基礎能力は培っていたので、授業を受けてからのテストは普通の日本人並みにとることができました。
市内の公立小学校で毎年一回ある、学力テストでも国語も算数も平均以上の得点を取ることができました。
最後に
今回は、海外に教育移住した子供に気をつけてあげたい、日本語力について経験をまとめました。
子どもの得意な言語は、学校で使っている言語にとにかく引っ張られます。
・学校では英語で学習
・友達との会話が英語
・家の中だけ日本語
このケースは、海外転勤や教育移住されている方の場合は普通に起こる環境だと思います。
英語も日本語も自由に操ることのできる子どもになる為には、日本語の話す・聞く・書く・読む、この4つの技術をバランスよく学ぶことが大切です。
聞く話すは家庭内での会話や、日本語のYouTubeを見ることで補完できます。
ただし、難解な言語である日本語は、書く&読む能力はかなり習得に時間がかかってしまいます。
タブレット学習は漢字を学習するには適した教材です。
また、読解力を培うためのドリル学習や、チャレンジタッチの電子書籍などもおすすめです。
海外にいると忙しさから、ついつい後回しになってしまう日本語学習。
日本人だからと言って日本語ができるようになるわけではないので、意識的に学習する癖をつけておきたいですね。
このブログ記事が、英語環境にいるお子さんの日本語学習の大切さを知るきっかけになればうれしいです。